Jerrio's Cafe

店主Jerrioのよもやま話と音楽の世界にようこそ...

スポンサーサイト

Posted by Jerrio on

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Calling you

Posted by Jerrio on   0 comments   0 trackback

先日のこと。あるお店で買い物をしている時にどこからともなく聞こえてきた4つのピアノの音にハッとした。メロディーではなく、ゆったりとした伴奏の4音。たったそれだけで、頭の中にはその後に続く音楽の世界がフワーッと拡がって、少し和らいだ気分になった。それは、ホリー・コール・トリオ、”Calling You”の冒頭の一小節だった。

  Link:  Calling You - Holly Cole Trio

この曲をラジオか何かで初めて聴いたのもこの演奏だったと思うが、シンプルで美しい音形が発するその独特な清新さに衝撃を受けたことを覚えている。もっとしっかりと聴きたい。そういう思いから、当時ジャズの枠組みを越え、大いに売れていたHolly Cole Trioのアルバム「Blame It on My Youth」を購入した。もう20年も前の話だ。

Blame It On My Youth / Holly Cole Trio
Blame It On My Youth / Holly Cole Trio


カナダ出身のジャズ・シンガー、ホリー・コールの3作目に当たる1991年録音のこのアルバムは、歌とピアノとベースというシンプルな構成でホリー・コールの歌をたっぷりと聴かせるアルバムで、ちょっと怪しんでいたのだが、きっちりと「ジャズ・アルバム」だった。

このアルバム全体を通じたピアノの音の美しさを冒頭から予感させてくれる1曲目の"Trust in me"、ジャズらしく少し自由な雰囲気の中で歌う2曲目の"I'm gonna laugh you right out of my life"、ベースに独特の奏法でパーカッションやギターの役割も担わせ、チャップリンの名曲をじっくり歌った、4曲目の"Smile"などなど...彼女の世界を堪能させてくれるアルバムだ。

  Link:  Trust in me - Holly Cole Trio
  Link:  I'm gonna laugh you right out of my life - Holly Cole Trio
  Link:  Smile - Holly Cole Trio

しかし、やはりこのアルバムは6曲目の"Calling You"の印象が強烈で、今でこそ他の曲をこうやって同じように楽しめるているが、購入当時はほとんどこの曲の印象ばかりが先行するアルバムだった。僕は輸入盤を買ったのでよくわからないけど、恐らく日本盤は「コーリング・ユー」なんてタイトルだったりしたんだろうな...

「コーリング・ユー」が、1987年の西ドイツ映画「バグダッド・カフェ」のテーマ曲だと知ったのは、このアルバムを購入後しばらくたってからだった。僕はそのことを知ってからも、てっきりホリー・コールの歌が、そのまま使われている位にしか思っていなかったのだが、この素晴らしい曲が映画のテーマ曲となると、ぜひその映画も観てみたくなる。この映画が日本で公開になったのは1989年。ミニシアターブームに乗って話題になっていった時期と、ホリー・コールのアルバムの発売はほぼ重なり、それもこの曲のヒットにつながったのではないかと思う。

それにしても「バグダッド・カフェ」...何て魅力的なタイトルなんだろう。その得体の知れない感じが「観たい」気分を一層駆り立てる。しかも”コーリング・ユー”がテーマ曲。その後、期待に胸を膨らませ観たその映画は、何とも心温まる、そして実に音楽と一体になった名作だった。

映画の舞台はアメリカ。ラスベガスとロスアンジェルスを結ぶルート66沿いに広がるモハーヴェ砂漠にポツンとあるモーテル”バグダッド・カフェ”だ。いつも不機嫌な女主人ブレンダは、いい加減な夫と、とんでもない子供たちを抱え、うんざりするような毎日を送っていた。そこに、夫婦でドイツからラスベガスへの旅行中、車上でのけんかが原因で、砂漠の真ん中、車を飛び出したドイツ女ジャスミンが現れ部屋を借りる。いつもとげとげしいブレンダは、そんなジャスミンを怪しみ追い出そうとするのだが...

”コーリング・ユー”の歌詞は、この映画の情景をそのまま歌ったものだ。冒頭からの様々な情景。その殺伐とした雰囲気の中に少しずつ現れる希望。音楽は映画と共に進み、映画の印象を決定付ける大きな要素にもなっている。

そのテーマ曲はホリー・コールのものではなかった。アメリカのゴスペル・シンガー、ジェベッタ・スティールが歌う「コーリング・ユー」こそが原曲だったのだ。この曲は、映画では多くは語らない二人の主役の心の声だった。静かな伴奏も、途中入るハーモニカの音も、この情景に素晴らしく映える。そして最後には、暖かな思いが残る、そんな映画と音楽だった。

  Link:  BAGDAD CAFE - Calling You by Jevetta Steele

実は今日もDVDでじっくり観直したんだけど、その後で最初のホリー・コールのアルバムを聴くと、少し違和感があったりもする。やはり映画には、本家ジェベッタ・スティールの盤が生み出す感情の高まりが必要だし、哀愁を感じるハーモニカも欠かせない...まあ、仕方ないかな。完全に映画と一体になった音楽なのだから...

しかし、気持ちを切換え、改めてホリー・コールの盤を聴くと、本家には無い独特の澄んだ空気が漂いはじめ、これはこれで全く別の世界がしんしんと形作られていくのだ...好きだな。この世界。

ところでホリー・コールのこのアルバムには不思議なところがひとつある。購入以来ずっと気になっていたことだ。それは、このアルバムのタイトル「Blame It On My Youth」。このタイトルは、ナット・キング・コールも歌った有名なスタンダード・ナンバーのタイトルで、当然その曲がこのアルバムにも入ってるって誰もが思うと思うんだけど...なんと入ってないのだ。考えられることは、当初入れるつもりだったんだけど、編集の途中で、演奏者の誰かが「この曲のここ、気に入らない。外して~」なんて駄々をこねたとか...その時点では、アルバムタイトルは決まっていて、既に宣伝も始まっていた...なんてことくらいだけど。ちなみに、このタイトル曲、彼女の別のアルバムに入っているらしい。う~ん、わかりません。誰か教えてください!

ちなみに日本語にすれば”若気の至り”ってところでしょうか。あっ、掛けてたりして...


バグダッド・カフェ ニュー・ディレクターズ・カット版 Blu-ray
バグダッド・カフェ (ニュー・ディレクターズ・カット版) Blu-ray




拍手」とあわせて、こちらもポチッとお願いします!

スポンサーサイト

Post comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackback

trackbackURL:http://jerrio.blog118.fc2.com/tb.php/95-f9e4abc8
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。