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ハナレグミは「離れ組」

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今日紹介の一枚は、ハナレグミの「あいのわ」だ。

このアルバムについては、3月12日、13日あたりで紹介しようと思っていた。その前週、「サヨナラCOLOR」について書いたのだが、そこではハナレグミやその音楽についてはほとんど書けず、消化不良気味...えーい、続けて書いちゃえ! ということで、そのつもりだったのだが...完全に吹き飛んでしまった。あれからひと月。そろそろ時を戻してもいいだろう。

あいのわ / ハナレグミ
あいのわ / ハナレグミ


もうこのアルバムもリリースされて2年程経つ。何も知らないあなたは、このけばけばのジャケットを見て中身を想像できないかもしれない。あるいは、このちょっと「変な感じ」に恐れをなし、横目でチラ見だけして、見なかったふりをするかもしれない。知ってる人も「えっらい雰囲気変わったんちがう?」と思うかもしれない。しかし、誰が何と思おうと、このアルバムは彼のソロ4作目にして最高傑作、紛れもない名盤なのである。まだ新作は出ていないので、目下、最新作でもあるのだ。

ハナレグミ、こと永積タカシを知ったのは、ファースト・アルバム「音タイム」でのジャケ買いだった。え?そんなに印象的なジャケットだった? と、知ってるあなたは思うだろう。うーん、微妙。何に反応したか、というと、そこで彼が弾いていたギターにだ。なーんでもない、フォークギター。おお!この独特なヘッドの形。昔なつかし、日本楽器製造のフォークギターじゃ、あーりませんか。今とは逆の裾の広がったヘッド、そこには「YAMAHA」なんてモダンなブランド名は無い。ポツンと音叉マークが鎮座しているだけである。僕もお世話になった古きよき時代のヤマハフォークギター。普通、こういう写真にはMartinとかGibsonあたりを恭しく使うのだろうが、そのセンスが気に入って手に入れたのだ。

半信半疑で聴いて、まず思ったのは、声!スペシャルな感じはないのだが、とても暖かな気持ちのいい声と歌いまわしだ。そして、その音楽性。タイトル曲の「音タイム」やシングル発売された「家族の風景」を聞くと、この人フォークの人?と思ってしまうのだが、いやいや、騙されません。そこここから立ち昇る、もっと幅広いジャンルの音楽の香り。なんだか底知れぬ音楽性と才能を感じて、僕の無形のチェックリストに登録!と相成った。

その後、2枚のアルバムをはさんで4年半ぶりにリリースされた「あいのわ」は、それまでの3枚のアルバムにあった、「好きな音楽をやっているんだろうけど、なんだかこじんまりしたパーソナルな感じ」を、一気に払拭している。それは恐らく彼がボーカルを担当していたファンクバンド Super Butter Dog の解散と関係があるのだろう。彼らの音楽は、解散した後、そのベストアルバムで初めて聴いたが、もうバリバリのファンクバンド。これが永積タカシのミュージシャンとしての本来の場所だったのだ、と思うと感慨深い。彼の音楽のポケットには、アコースティックギターを爪弾きながら、アメリカのソウルミュージックを弾き語ることも、ノリノリのバンドミュージックで歌い叫ぶことも、同じような比重で入っているのだろう。それは表現の違いであって、伝えたいことは一つなのかもしれないが。

Super Butter Dog の活動と並行して、ソロユニットとしてのハナレグミをスタートした時の、彼の中での逡巡は想像に難くない。わりとかっちりとしたバンドミュージックの海に浸りながら、彼は自らの戻るべき場所、ルーツを突き詰めていったのだろう。(勝手な想像ですが。)その結果が、アコースティックで暖かい、ファーストアルバムにつながっているのだと思う。結果的にいえば、バンドと並行したソロユニットにおいては、自分の中の一側面を表現する作業がメインだったように思う。その呪縛から開放され、その音楽性をフルに発揮、結集するには、もう一つの側面を担っていたものをストップするしかなかったのだろう。即ち、バンドの解散である。

さらにこのアルバムの素晴しさを形作った裏側には、前作からの4年半という時間を、さまざまなミュージシャンとのコラボレーションや“弾きが旅”という全国行脚に費やしたことがある。それは言わば修行のような役割で、彼の音楽性やお客さんとの距離感を築き、磨き上げることにつながっているのだ。

そして発売された「あいのわ」。そこにためらいは無い。これまでうっすらかかっていたベールをサーっと外し、澄み渡った空の下で思い通りのことを自由にやっている。Super Butter Dog での最後のシングル曲のタイトルも「あいのわ」だが、それと同じタイトルをアルバムにつけ、なおかつ同タイトルの曲を、内容を全く変えて冒頭に持ってくる。そこには、彼がバンドから引き継いだものと、変えていくものが、明確に示されている。そこから始まる9曲は本当に多彩だ。主軸は3曲目の「光と影」。この曲の中にはリアルタイムのハナレグミが詰まっている。

終曲のワンテーク。ギターの弾き語り「あいのこども」に至るまで、様々なカルチャーを詰め込んだ音楽が、緩急織り交ぜ、時に真剣に、時にはじけながら押し寄せてくる。テーマは「あい」だ。

さて、そろそろ新作が聴きたい。もう待ちきれない。
今度はどんなハナレグミが体験できるのだろうか。本当にたのしみだ。

ちなみに、ハナレグミとは「離れ組」のこと。目が離れ気味の友人と飲んでいたとき、「あんたら、離れ組だね」といわれたことからつけたらしい。彼らしいエピソードである。もちろん彼の目も...


  *** ファーストアルバム「音タイム」も、ぜひどうぞ!

音タイム / ハナレグミ
音タイム / ハナレグミ




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